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ユヤマ 開業支援ドクターレポート

【神奈川県 耳鼻咽喉科・アレルギー科】
森安 真綾 先生

【神奈川県 耳鼻咽喉科・アレルギー科】<br>森安 真綾 先生
神奈川県
桜森耳鼻咽喉科クリニック
森安真綾
(大石真綾)先生

桜森耳鼻咽喉科クリニック様は2022年3月の開業当初から地域に根差した診療を心がけており、お子様やご高齢の方、障害をお持ちの方も含め幅広い患者層が来院されています。

当クリニックの院長である森安真綾先生に開業をお考えになったきっかけや、開業準備中のこと、スタッフや経営のことなどを伺いました。

まずは先生のクリニックの概要について、簡単にお話しいただけますか?

「近隣の方がいつでも気軽に受診できるクリニック」をコンセプトにしています。特別な専門クリニックではないので、子供や年配者、障害をお持ちの方を含めた地域の方が幅広く来られるようなクリニックです。実際、障害者施設や老健施設、保育園が周辺にあるため、利用者間での口コミは広がっていると感じます。遠方の方はともかく、「近隣の方」を意識したクリニック作りをしています。

しかし耳鼻科は患者数をこなす必要があるので「いかに患者さんを回すか」も重要であり、今まで勤めてきた職場の間取りを参考に、移動が面倒だなあとか、これは便利だったという点をとりいれました。レントゲンは自分で操作するのでレントゲン室を診察室のすぐ隣へ設置するとか、聴力検査は静かな環境を要するので診察中の声や子供の泣き声を考慮ししっかり防音対策をとるなどです。

スタッフの動線は助手さんやナースさんが器具準備~診察での使用~洗浄までがスムーズに出来るように、流しの位置や大きさ、形について彼女たちの意見を取り入れて不満が出にくいように意識しました。この打ち合わせを通し、今まで気づかなかった彼女たちの業務(仕事内容やなぜそれを選ぶのかなど)がよくわかり、その後の外来にも役立っています。

外来数の推移については、広告がうまくいったと思います。開院前のポスティングのエリアや電柱広告の位置、地域の人の流れなど、地域に詳しいスタッフの意見とプロの意見とを取り入れ行いました。自分は住んでいないエリアだったので本当にありがたかったです。実際に花粉の時期でもあり50人/日くらいからのスタートでした。

開院する時期は大事ですね。耳鼻科の開業は11月と言われますが、諸般の事情で2月開業になり、最初から50人は慣れていないので大変でした。セオリーって本当だなあと。11月からちょっとずつ始めて慣れるのが理想だと思います。開業後2年経過しおかげさまで患者の年齢層も幅広く、新生児から大正生まれまで100~110人/日くらい。真夏も50~60人くらいで推移しています。「近隣の方が誰でも気軽に受診できるようにする」というのは、スマホの予約ができない方もまだまだいらっしゃいますので、直接来院されても診察をしたいということです。

そういった方の待ち時間が長くならないように、予約システムで込み具合を調整するようにしています。繁忙期は直接来院する人が多いので予約枠を30分枠に3~4人など少なく設定し直接来られた患者さんを診察できるようにします。 予約の無い患者さんの待ち時間を60分過ぎると電子カルテの待ち表示が赤くなるようにしているので目安にもしています。

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ご開業を目指されるきっかけは何だったのでしょう?

キャリアが長くなってくる中で、自分でもうちょっと自由にしたいなと思ったのがきっかけです。医師の仕事のうち「外来」は比較的自由度が高い業務だと思いますが、勤務医は組織の一員ですから、当然いろいろルールがありますよね。外来のシステムや診察時の患者応対も含めてルールを守らないといけない。大事なことですが、自分でやりたいことをもう少ししたいなと考えていました。

ご開業を思い立った際に、先ず相談された相手や、起こしたアクションは何でしたか?

まず相談したのは一緒に働きたいなと思っていたスタッフです。
当時、彼女とは一緒に働いていたので、一番初めに話したと思います。やったら?やるの?やろうか、やらないの?と。はじめは冗談で、業務の合間にあーだこーだと喋っていました。コロナの時期でもあり、自分に時間が出来たことや、卒後20年を超えたこともあり、時期としては最後のチャンスかもと。そこからはネットで、開業ってどうやるんだろう?できるのかな?本当にするん?というぼんやりした点から、どこでやりたいかといった場所探しや、具体的に何をしたらいいのかっていうところを考え出して、もう少し具体的な話を聞きたいと思い何件かオファーし業者さんのお話を伺いました。

ユヤマの地域医療支援室 サポートについてお聞かせ下さい。

他社ではなく、何故ユヤマに相談をされたのですか?

他の会社の方とも話をしましたが、営業感が強くて自分とはタイプが違うなと感じました。ユヤマさんと初めてお会いした際に、開業に対する自分のモワンとした疑問や不安を話したことと、反対に私自身の質問をされたことを覚えています。いろいろ質問される中で、自分がどうしたいのか、どんなクリニックにしたいのか、どれぐらいでしたいのか、できそうなのかがなんとなく形になってきて、あー。やっていけるかもと思い、ならユヤマさんでお願いしようと思いました。

いざ始まってみると、担当の方の職人的な感じが私には良かったですね。淡々とスケジュールから私がしないといけないこと、ユヤマでしてくれることなどの説明を受け調整を何度もしました。ヨイショとかは全くありませんでしたが、不安な時はしっかり一緒に悩んでくれましたのでありがたかったです。

紹介して頂いた種々の業者さんについても、個々の紹介、違い、長所短所、担当さんの性格、私のキャラクターを含め、合いそうなところをバランス良く少なくともどの業種も二つ以上用意してくださり、今度は自分が考えて選んでいくというスタイルでした。

決定をするために、会計システムや予約システム、医療廃棄物の処理、人の雇用について、お金の管理など今までしていた医師が行う仕事以外の運営に必要なことを効率よく学べたのがよかったです。一通りクリニックの運営に必要な流れを全部漏れがないように、順序良くやるべきことをプランニングしてもらいましたので、開院してみて「ここがすごく良かった」というよりも、「間違った、これ駄目だ」、というのが無かったのがよかったです。

開業場所の選定はどうされましたか?

  • テスト

ユヤマさんから紹介を受けて開業地を決めました。
勤務元の患者さんや、一緒に働きたい方もいたので、場所選びはまずエリアを決めた後に、沿線で耳鼻科がないところを探しました。その中でさらに家賃を重視しました。ほかの候補地のもありました。今をときめくキラキラの場所でしたが家賃が高いことと、自分の思い描いた医院のイメージはキラキラエリアではないことと、通勤のしやすさなどで決めました。家庭もあるため自宅から遠過ぎないかどうかも重視しました。また1階であること、内科が隣接していて先に開院してくれていたのも魅力的でした。今では「じゃ隣受診して聞いてみたらどうかな」など紹介しあっています。

オーナーが地元の名士で近隣に住んでおられて地域密着というのも良かったです。賃貸住宅の多いエリアで人の流入流出が多いというのも好影響です。若い夫婦と保育園児がいれば必ず耳鼻科は必要ですから。分譲マンション群もいいと思いますが賃貸の場所も良いと思いますよ。

開業準備スケジュールは問題なく進みましたか?

スケジューリングが完璧でした。打合わせでは業者さんと面会し説明を受け資料を渡され、私が決めないといけないことという宿題が出て、持ち帰って色々考える。これの繰り返しです。もうあっという間でした。週1ぐらいで3~4時間くらいの打ち合わせ。建物がもう既にできており家賃を払う必要も出てくるので、開業月を決めたらそこに合わせて進むしかない。私が早いと感じたのはそういうことです。結婚式の披露宴みたいですよ。料理1つ、クロス1枚選ぶ感じで。もっと余裕があってもとも思いますが、時間があっても先延ばしにしただけだったかもですね。こだわりのない内容も決めないといけない、どんどん決めるしかないって感じですね。

機械はもっとよく話を聞くべきだったと反省しています。毎日使うのですから。それぞれ売りがありますが、自分使う器具や機械は特にメーカーによるちょっとした違いをもっと学べばよかったです。このちょっとが意外に慣れなかったりするので実際に試せばよかったと思います。あと値段を気にしすぎてしまい、好きな機械を高くても買っていたら気分が上がったかもねと思うことがあります。
クリニックについて、こだわった点はありますか?

患者さん目線では、一般クリニックなのでしいていえば、バリアフリーですかね。フラットだけではなく、子連れの方も含めたバリアフリー、間口をバギーが通れる大きさにするとか。感染対策が重視される時代なので、洗面もトイレとは別に設置しました。

いろいろデザインや色に迷って二転三転した待合室の壁の色とか、今となってはどうでも良かった(笑)。だって私は待合を1日に2,3回しか見ないですから。あれに何気に打ち合わせ時間が掛かり、私はポップにしようというと、みんなが不満顔で、こだわりだしたら、何だかもうわからなくなってしまい、おそらく、業者さんや担当さんはどうでもいいだろって思ってましたね。

一番こだわったのは、掃除のしやすさです。大事なことですが私にはよくわからない分野なので「簡単さ」を重視しました。清潔感がなくなるので壁が汚れないよう巾木も高くとか、床も汚れにくく、掃除しやすく、手間がかからないような色や材質にとオーダーしました。

反対に、空調システムはもうちょっと確認すべきでしたね。どことどこが連動するとか。待合は換気のために窓を開けるため診察室とはかなり室温違うので一緒だとちょっと不便です。午後には西日が差して診察室は暑くなるのでさらに温度差があり暑い!全然興味なかったのでスルーしてしまっていたのですが、勉強すべきだったなと反省しました。

  • テスト

クリニックの経営者として、どのようなことを意識されていますか?

これは自分の中ではっきり決まっていて、柔軟性のある勤務を認めることです。例えば勤務時間が週36時間ぐらいですが、60歳を超えたら32時間勤務を可とするとか。介護や通院、趣味などを含め仕事とそれ以外のバランスの取れる勤務をできるようにと考えます。心に余裕がないと患者さんだけでなく他のスタッフ同士を含めた他人に優しくできないと思っているので、できるだけ個々の案件に対しても配慮しているつもりです。常勤スタッフは有休もあるので、パートさんも必要になります。正直言って最低賃金で募集をかけるとそれなりの人しか来ない。やっぱり最低賃金より50円でもいいから上げると良い人が来る気がします。

また、ナースには聴力検査など耳鼻科特有の検査を覚えてもらわないといけないので、そのインセンティブをつけることで嫌がらずに新しい手技を覚えてくれるのかなと感じます。あとは派遣も悪くないですよ。本当にいいです。今利用している会社では、うちのナースの時給+αに加え、派遣会社にも800円払っています。結果的に1人当たりプラス1000円以上かかりますが初日から仕事はよくできるし万が一の時もチェンジも可能です。耳鼻科は季節により来院数が大きく変動するため、繁忙期に合わせると無駄が多く、閑散期に合わせると繁忙期に疲弊が半端ないですから。

金銭的な観点から経営で意識していることはありますか?

患者さんとの関係でいえばバランスです。
患者さん個々のニーズが違うのでそれを察知することでしょうか。時間が普段ない方で一度の受診でたくさん色々聞きたい知りたい方は色々検査をして高額になることも理解していただけますが、そうじゃない方もいらっしゃいます。

今こういう状態で自費だけど、これをしないといけないから診せて貰いますねなど、ちゃんと必要性を話す。特にカメラとか(費用が)高い検査の必要性と所見を話すとかです。なんでもかんでも検査をするとクリニックの収入が増えるように感じますが患者さんのニーズに合わなければ長期的に患者離れが生じるのは当然です。

どこまでどういうのを望まれているかを患者さんとお話ししながら診るのが大事だと思います。良識をもって、人として恥ずかしくないような医療を心がけるほうが良いと思っています。

これから開業される先生方にアドバイス等 ございますでしょうか?

わからないことはプロに聞くことです。こだわりのないことほど「餅は餅屋」です。 開業を考えている方はいろいろネットで調べると思いますが「自分でできる」とか「だまされる」とか「カモられる」とか「高かった」とか、開業支援業に対する偏見や恐れの情報がたくさん出ています。私も怖かったですし不安でしたよ。

実際にクリニック展とか開業展とかに行くと山盛りの色々な業者さんがいます。自分で一件一件調べて沢山の業者の中から自分の考えにあった業者を選び、それらがうまくコミットするかどうかをまた自分で行うというのはなり大変だと思います。

自分でロゴマークを作ったり、ホームページを作れる人もいると思うのですが、本当に時間がある方、能力のある方、奥様がされる方、そこにこだわりがあって自分でしたいというなら別ですが、さっきの「こだわりのないことほど餅屋に」です。プロの仕上げは良いですよ。他のことに時間をかけられますしね。特に私みたいに家族がいて、旦那さんは同業じゃないし、子供はもうなんか大変っていう状況だったら、外注することで自分にも余裕が出来るようになる。スタッフのバランスを見たり必要な資格を取るための講習会に出たり自分にしかできない仕事がたくさんあるじゃないですか。それこそホームページのことや、空調掃除のこととか、そういうのも全部外に任す。空いた時間を使って自分は勉強した方がよっぽどいいと思いました。

具体的には自分のイメージがあればその方向で、なければいくつか提案してもらって、プロが形にしてくれて、それをまたすり合わせてという風に任せました。特に予約システムがこの形で。近隣クリニックは順番予約制が多かったので、あえて時間予約制にしました。自分ならそっちがいいと思うのと、そうすれば時間予約がいい人がうちに来てくれたらいいわけですから。

もう一つは、 他院の口コミは見ても自分の口コミを見ない。私はまだ一回も自分のクリニックの口コミを見ていません。自分の医療がおかしくなるのが嫌だから絶対に見ない。我が子が見て教えてくる(笑)。お母さんのクリニックは関西弁って書かれてるとかね(笑)。ただ、他のクリニックの口コミは拝見し参考にしています。開業の想像がつかない先生でも、10年後に大学や市中病院の医長といった姿にピンとこない先生はゆるりと開業を意識しはじめてもいいと思いますね。

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Clinic Profile

神奈川県大和市、相鉄線相模大塚駅徒歩4分のスーパーマーケット、ディスカウントストアが並ぶエリアのマンション1階(内科、耳鼻科、薬局、介護事業所)で開院されています。 勤務スタッフからの意見も取り入れ「働きやすい環境づくり」を目指して運営されていることが分かります。 開業準備のことなどもご経験に基づき、これから開業をお考えの先生方にも読みやすい内容となっております。