ユヤマ 開業支援ドクターレポート
【京都府 小児科】
中野 稲子 先生

中野こども医院様は2022年11月に小児科クリニックとして開業されました。
当クリニックの院長である中野稲子先生に、開業準備から開院後のご経験、今後の展望、スタッフや診療への想いなどを伺いました。
当クリニックは2022年11月に同月にオープンしたスーパー内のテナント区画で開業しました。小児科を標榜しているクリニックですが、私としては幅広く門戸を開いた気軽に相談できる場所を目指しています。乳幼児期の子供に限らず、思春期を超えたお子さんやご家族、お母さんお父さん……。地域の方にとって「ここに来てよかった思える診療所」としてありたいなと思い日々診療しています。通常の外来に加え、発熱外来用に動線を分けた診察室を設けています。開業時はコロナ感染症が猛威を振るっていた時期でもあったので、数ヵ月はてんてこ舞いの状態でしたね。
また、私のポリシーとしては、お母さんたちが困っていることのニーズに応えたいという部分もあります。取り組みの一例として、赤ちゃんの頭歪みに対するヘルメット治療を実施しています。具体的に頭の形を数値化し、重症度の高い歪みにはヘルメット治療を提案するという流れです。これまでの経験で、お母さんから子供の頭の形の相談がとても多かったのですが、お子様の頭の形を数値で見える化し、今こういう状況だから大丈夫、ちょっと心配かもしれない、残るかもしれないね、こうしたらいいよといった情報を提示してあげたら、お母さんが安心できますよね。そういう部分で選択肢を出してあげられることがお母さんにとってのQOL向上にもつながると思います。
子どもの頃ホームドクターが本当に頼りになる先生でした。いつも何でもお世話してくれたので、もう自分の親や一族がみんなその先生に頼っていました。その先生に憧れていたのかもしれないですね。いつしかその先生のようなお医者さんになることが目標になったと言いますか。それで医師を目指した時にはいつか開業したいなとずっと思っていましたので、元々のきっかけは特になかったです。今回の開業は、降って湧いたようなお話なので、当時全然まだ時期ではないと思っていましたし、全く下準備はしていなかったです。
ただ、大きなチャンスが来た!と感じました。
私の場合は思い立ったのが先じゃなくて、物件に興味を持ったのが先。そこからは転がるように話が進んでいっちゃったという感じですね。たまたまエムスリーのサイトを見ていたら、いつか開業したいなと考えていた地域でクリニック募集の物件があった。その物件が今回開業した物件になったのですが、ここに他の小児科が来たら、自分の開業が遠のくなと思って、ちょっと質問してみたら、ユヤマさんに当たった、みたいな流れだったと思います。偵察に、と思って問い合わせてみたのが始まりだったのですが、それがちょっと運命的な出会いになった感じですね (笑) 。
他社ではなく、なぜユヤマにされたのですか?
私の場合、この物件ありきだったので、ここの物件を扱っているのはちょっと探したんですけどユヤマさんしかなかったですね。だから必然的にユヤマさんにお願いすることになりました。
ただ、これは後から分かったことですが、ユヤマさんは一番フリーな立ち位置で優秀な業者さんを紹介してくれるところが良かったと思います。内装にしても私に合いそうな業者さんをいくつかセレクトしてくれたみたいで。どのプランも良くてとても迷いました。それに紹介していただいた業者さんがどこもいいサポートをしてくれたところも助かりました。そういう各分野の繋がりの部分で、偏りなく様々な人と繋がっているんだなと思いました。そういった部分も含めトータルでユヤマさんにお願いして良かったなと思っています。
開業場所選びは大事なことだと思いますか?
もちろん大事なことだと思います。開業したときにこの地域でどのような姿で開業ができるか、住んでる地域の方々にどう思ってもらえるかということの、イメージがつくような場所の方が、開業するにあたっては大事かなと思いました。立地に愛着があるかどうかも同様ですね。
ひっそりとクリニックがあっても、人に来てもらえなかったら力にもなれないし、置かれた場所の条件で地域の方々に喜んでもらえるとイメージできることがポイントになると思います。私の場合、新しく出店されたスーパーの1テナントの区画でしたが、地域の人にも普段使いの場所になるので、覚えてもらいやすいと思います。また、駅から全然近くはないですが、京都市内では珍しく駐車場にまとまった台数があるので、小児科クリニックとして大きなメリットになっていると思います。
開業1ヵ月前まではとてもスムーズに進んでいましたが、最後の1ヵ月がとても大変でした。何が大変だったかと言うと、建物側の建築スケジュールとクリニックの開業時期を並行して進める際に、建物側のルールが細かくあったので、こちら側で想定していた内装工事や機械の搬入などが大幅にずれてしまいました。通常1ヵ月かけてやることを2週間で詰め込んだような感じでしたね。ですが、ユヤマさんをはじめ、他の関連業者さんも状況をみて作業日程などの細かい調整や、それぞれの業者間で連携してくれて、なんとかスーパーのオープン日と開院日を合わせられたという感じでした。本当に皆様の協力のおかげで無事に予定通り開院できたと思っています。
内装は特にこだわりました。テーマはサーカスみたいな感じで、患者さんには楽しいところであってほしいという気持ちでイメージしていました。もともと天井が高い物件だったので、開放感を活かしながら、全体に丸みや曲線を取り入れてデザインしていただきました。
壁面遊具もおもちゃ専門のデザイナーに頼み、イメージを伝えて作りました。コロナが始まって、小児科では感染予防の点から置いていたおもちゃとか絵本が一斉になくなってしまいました。それはちょっと寂しいなと思って、壁面遊具であれば清掃もしやすいし、ボールを渡して入れてしまえば、後で回収したときに消毒できるから感染予防もできるので、構想していました。今では患者さんから「コロコロの病院」と言われているようで、お子さんにとっても病院が楽しい場所と思ってもらえているようです。
私の中では効率化の意識を大事にしています。予約システムを入れたのも、今ではスタンダードですが、使いやすいものを採用しました。患者さんにとっても、私達にとっても使いやすいものであれば双方に負担がないですし。あとはスタンド型の自動精算機も導入しました。お金に関する操作でミスが起こらない点が、スタッフにとって精神面でも良いですよね。効率化することで余裕ができるから患者さんへもっと向き合う時間が作れる、スタッフも定時で帰れるからQOLが高まるなどとその恩恵を受けています。
あと、スタッフさん同士、みな個性を理解してそれぞれが自主的に仕事を分担してくれているので、ダイバーシティ的にも良い職場になってきていると感じています。
何を目的として開業するかというビジョンをしっかり持つことが大事だと思います。何をエネルギーにしてとか、何にどういう思いを持ってとか、何を犠牲にするのか、妥協と追求のバランスです。ご自身の中で自身のクリニックのビジョンをしっかり構築し、それに沿って開業地探しなど動いていくというイメージです。あとは開業に関連する業者さんがビジョンに合った提案をしてくれると思いますので、プロの提案を吟味していけば、理想のクリニックに繋がっていくと思います。
Clinic Profile
京都府京都市中京区の西大路通りを東に入り、スーパーマーケットが入る建物と同じ建物で開院されました。サーカスのような内装、壁面遊具、業務効率化への工夫など、院長のビジョンが体現されており、地域への思いも強く感じた取材となりました。
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